膀胱がんになる原因とは?特徴や治療法もまとめて解説

膀胱がんは、日本で年間約2万人が罹患している罹患数が比較的多いがんの一つです。
ステージにも寄りますが、標準治療での基本的な手段としては手術が多く、ステージが高くなるにつれて5年生存率がぐっと低くなります。
今回のコラムではそんな膀胱がんの特徴や治療の流れについて説明していきたいと思います。

膀胱がんの原因について

膀胱がん(bladder cancer)は、尿路上皮(移行上皮)から発生する悪性腫瘍です。
膀胱がんの原因を作る危険因子として、喫煙や染料で使用される化学物質が挙げられます。

原因・リスク要因詳細
喫煙最大のリスク因子。喫煙者は非喫煙者の2〜4倍リスクが高い。
化学物質への職業曝露アニリン染料、ベンジジン、ナフチルアミンなど(工業・印刷業・皮革加工など)
慢性膀胱炎・カテーテル使用特に脊髄損傷などで長期導尿が必要な場合
放射線治療歴骨盤への放射線治療でリスク上昇
シストソーマ感染(住血吸虫症)アフリカや中東地域で見られる寄生虫感染による特殊な型(扁平上皮がん)

初期症状としては、血尿や頻尿、排尿時の痛み、残尿感、切迫した尿意など。
血尿は痛みなどを伴わず、また毎回血尿になるわけではなく一度出たら暫く出ないという特徴があります。

膀胱がんのステージと治療法について

膀胱がんの大部分は、膀胱の内部を覆う尿路上皮にできる尿路上皮がんです。
がん細胞が膀胱の壁にどのくらい深くまで及んでいるかでステージが決まり、それに合わせて治療法が異なります。

ステージ0筋層には到達していない
ステージⅠ筋層には到達していないが、上皮下結合組織に到達している

  • → 内視鏡(TURBT)での腫瘍切除と、再発リスクに応じて膀胱内注入療法(抗がん剤・BCGなど)が行われます。

ステージⅡ筋層の外側付近まで到達しているが、リンパ節には転移していない
ステージⅢA筋層の外側以上まで到達して、リンパ節に転移している
ステージⅢB筋層の外側以上まで到達して、骨盤・腸骨まで転移している

  • → 膀胱の全摘出(基礎疾患で適応とならない症例も有り)と、術後の抗がん剤が検討されます。

ステージⅣAがん細胞が骨盤壁または腹膜に浸潤して、領域外のリンパ節に転移している
ステージⅣBがん細胞が骨盤壁または腹膜に浸潤して、他の臓器に沿革転移している

  • → 薬物療法が行われます。奏功した場合は膀胱の全摘出や転移巣の切除、症状緩和目的の手術が行われる場合があります。

ステージ別の生存率(5年相対生存率)は以下と報告されています。
ステージⅠ以下など、早期発見ができた場合の治療予後は良いのですが、ステージⅡ以上(筋層の外側以降)に到達している場合は特に注意が必要ながんです。

 ・ステージⅠ:86%

 ・ステージⅡ:57%

 ・ステージⅢ:43%

 ・ステージⅣ:19%

膀胱がんの手術について

軽度の場合は内視鏡(TURBT)、ステージⅡ以降の場合は膀胱全摘出となります。

内視鏡での切除

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)は、尿道から切除鏡を膀胱内に挿入して、ループ型電極で腫瘍を切除する方法です。
膀胱穿孔や出血などの合併症に注意が必要ですが、日本の医療技術は高いため過度に恐れることはありません。心配でしたら主治医の先生にご確認頂くと丁寧に説明してくださいます。
腫瘍が残存した場合、再度TURBTを行う場合もありますが、近年はがん細胞を可視化できる光力学診断(5-アミノレブリン酸を使用)補助下で施術できるようになっているなど、技術が進歩しています。

切除後はがん細胞の進展や再発予防を目的に、BCG膀胱内注入療法などが行われます。
BCGは結核の予防接種として乳児の際に受けるものですが、膀胱がんの場合は大量のBCG生菌を膀胱内に注入することで、体内の免疫系を活性化させて制がん作用を得る治療法です。
副作用は、排尿時痛や血尿、インフルエンザ様症状、萎縮膀胱などが現れることがありますが、症例も多く適切な処置をして頂けますので過度に不安に思う必要はありません。

ステージが進んで膀胱全摘出となった場合

男性:膀胱に加え、前立腺、精嚢、遠位尿管、尿道(再発リスクが高い場合)を摘出

女性:膀胱に加え、子宮、膣壁、遠位尿管、尿道、卵巣(必要に応じて)を摘出

尿は腎臓で作られ、膀胱にたまり体外で排出しますが、膀胱を全摘出すると尿の経路を変更する必要があります。大きく分けて、ストーマと人口膀胱の2つの対応法があります。

・失禁型尿路変更術(ストーマや集尿袋を使用。永久ストーマへ同意した場合)
→尿管を直接腹壁もしくは回腸を導管として用いて腹壁に固定してストーマに排泄する施術です。尿意はコントロールできず、永久的にストーマを使うことになりますが、比較的手術操作が容易で、合併症の頻度が少ないことが特徴です。

・禁制型尿路変更術
→腸管(主に回腸)を用いて蓄尿するパウチを作るもしくは新たに膀胱を作成して、ストーマもしくは自己の尿道に再吻合する施術です。自己の尿道に吻合する場合(自排尿型代用膀胱)、尿意は感じないものの、腹圧をつかって排尿することも可能ですが、失禁型尿路変更術に比べ術式が複雑ですので、どちらを行うかは主治医の先生の判断となります。

膀胱がんの予後について

膀胱がんの中でもNMIBC(膀胱がんの70%を占める筋層非浸潤性膀胱がん。TURBTでの治療を行う)は再発率が非常に高く、50~70%が再発するというデータが報告されています。当社にご相談頂く患者様からも再発を繰り返しているというお声を多く聞きます。

膀胱がんの再発については2つのパターンが報告されています。

 1.長期間の発がん性物質への曝露により、正常に見える尿路上皮にもすでに細胞の遺伝子異常が蓄積され、前がん病変になっている可能性があります。がんと診断された部分を切除してもこのような部分ががん化して再発に至ります。

 2.尿路上皮で発生したがんが、膀胱内の別の部位へ播種・生着して増殖します。上記同様に、がんと診断された部分を切除をしても、すでに播種していた腫瘍細胞が成長して再発に至ります。

また、TURBTで切除した後に使うBCG膀胱内注入法ですが、BCG抵抗性があると治療に苦渋し再発が繰り返されます。この場合は、TURBTでの切除ではなく、膀胱の全摘出へと切り替わる場合があります。

また、これは膀胱がんに限るものでは無いですが、高齢者や腎機能が低下している方(透析患者など)は治療の選択が制限されます。

最後に

膀胱がんは症例も多く、各医療機関にて適切な治療を行ってくださいますので、過度に怖がらず、正しい知識を持って治療に望んで頂く一助となれば幸いです。
再発しやすい膀胱がんではBCGを使うことからもわかるように、免疫細胞を使った治療が非常に有効です。標準治療、自由診療を適切に選択して、治療に向き合っていただけたらと思います。

参考文献:がんがみえる第1版・メディックメディア

まとめ

膀胱がんの主な原因と特徴

膀胱がんは、尿路上皮から発生する悪性腫瘍で、喫煙や染料で使用される化学物質が原因とされる

ステージによって最適な治療法は異なる

治療法にも寄るが、再発する可能性の高いがん

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