気になるギモン
2025.06.25
がんを予防するために気をつけるべき5つの生活習慣

がんは、1980年頃より40年以上日本人の死因1位となっています。
日本人の天敵と言っても過言ではありませんが、ではどうして日本人はがんになりやすいのでしょうか?
それには様々な要因があるとされていますが、その原因の1つに「生活習慣」があります。
今回はその生活習慣について深掘りし、がんを予防するためにできることを説明していきたいと思います。
がん予防の全体像
がんを予防する取り組みは国・自治体・医療機関・民間団体など多方面で実施されていて、下記の3段階での予防を軸に体系的に進められています。
状況に合わせた各段階の予防に取り組むことで、がんによる死亡リスクを下げる事を目指して、公的機関から様々な情報が発信されています。
がん予防の3段階
①がんを未然に防ぐ「一次予防」
②がんの早期発見、早期治療を目的とする「二次予防」
③がんの再発予防と生活の質(QOL)を向上を目的とする「三次予防」
がんの一次予防
がんの一次予防の内容は本コラムの主題である「生活習慣」に関してです。がんを未然に防ぐためには、次の5つの生活習慣の実践が重要です。
1.禁煙
2.節酒
3.食生活の見直し
4.活発な身体活動
5.適正体重の維持
日本人ががんを発症する要因として、男女ともに、喫煙・感染・飲酒が上位を占めており、また上記の5つの生活習慣のうち、実践した数が多いほどがん予防の効果が高いというデータが示されています。
1.禁煙
たばこには多くの発がん物質が含まれており、喫煙はさまざまながんのリスクを上げることになります。
喫煙者自身だけでなく、受動喫煙でもがんのリスクが上がることが明らかにされています。
喫煙者による喫煙者本人のリスク
- →肺がん、食道がん、胃がん、膵がん、子宮頸がん、肝がん、鼻腔がん、口腔咽頭がん、喉頭がん、膀胱がん(大腸がん、乳がんについてもリスクが上がると言われています。)
受動喫煙による非喫煙者のリスク
- →肺がん(乳がん、鼻腔がんについてもリスクが上がると言われています。)
喫煙開始年齢が低いほど、肺がんの死亡リスクが上がりますが、逆に禁煙期間が長いほど、肺がんの死亡リスクは下がります。

禁煙後15年以上で非喫煙者のレベルまで低下すると推計されているデータもあります。

また、生涯喫煙量を表す「ブリンクマン指数」という指数もあるので参考にしてください。
生涯喫煙量(ブリンクマン指数)
=1日の喫煙本数×喫煙年数
この指数が400以上で肺がんリスクが高くなります。また、35歳以上の場合、200以上が禁煙治療の保険適用の条件となっています。
2.節酒
がん予防および健康の維持・向上のためには、1日あたりの飲酒量を純アルコール換算で20g程度(女性はこの半量程度)までにとどめることが推奨されています。
多量飲酒によるリスク
- →肝がん、大腸がん、食道がん
尚、飲酒量とがん死亡リスクの関係を示すデータが発表されており、そのデータを見るとお酒を全く飲まないよりも少し飲んだ方ががん死亡リスク低下に効果があるように見えますが、お酒を飲めない・飲まない人に飲酒が勧められるわけではないので注意が必要です。

ちなみに、純アルコール量についてですが、アルコールは水よりも比重が小さいため、お酒の量に単純にアルコール度数をかけても純アルコール量とはならないことにも注意が必要です。
3.食生活の見直し
日本人の食生活におけるがんリスクに関わる食事の内容は以下となります。
食塩・高塩分食品の摂取過多
(1日あたり男性は7.5g未満、女性は6.5g未満が推奨)
- →胃がん
熱い飲食物の摂取
- →食道がん
尚、野菜・果物の摂取(1日あたり400g)は、食道がん、胃がん、肺がんのリスクを下げます。
また、コーヒーの摂取とがんの関係について様々な研究が進んでいます。
日本の研究ではコーヒーの摂取が肝がんのリスクを下げる可能性があると評価されていますが、国際的には結論づけられていないため、現段階ではコーヒーの摂取を積極的に勧める段階には至っていません。今後さらなる研究が望まれます。
4.活発な身体活動
「健康づくりのための身体活動基準 2013」では、がんを含む疾病予防の観点から、身体活動について次のように示されています。
20歳~64歳
- 1日8,000歩~10,000歩のウォーキングに相当する運動量を毎日60分間行う。
65歳以上
- 日常生活の中で無理なくできる活動で良いので、1日40分間行う。
活発な身体活動の効果としては、大腸がんのリスク低下が示唆されています。
5.適正体重の維持
がんのリスクは、肥満でもやせていても高くなりますので、適正な体重を維持する事が推奨されています。
肥満
- →乳がん(閉経後)(大腸がん、肝がん、子宮体がん、乳がん(閉経前)についてもリスクが上がると言われています。)
痩せ
- →がんの種類を問わず、がんのリスクを上げる可能性があります。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)などで目標とするBMIが発表されています。
ここで重要なのは、例えば体重を減らしたい場合には、食事量を減らすだけでなく、身体活動も併せて増やす必要があることです。

がんの二次予防について
がんの早期発見、早期治療を目指すために、がん検診を受けることが重要です。
がん検診は、がんの疑いがあるかどうかを調べる一次検診(スクリーニング検査)と、がんが疑われる人に対してのがんの有無を調べる二次検診(精密検査)に分けられます。
健康増進法に基づく健康増進事業として、市区町村が実施しています。
主ながん検診
・肺がん検診:
40歳以上の男女(1年に1回)
・胃がん検診:
50歳以上の男女(2年に1回)
・大腸がん検診:
40歳以上の男女(1年に1回)
・乳がん検診:
40歳状の女性(2年に1回)
・子宮頸がん検診:
20歳状の女性(2年に1回)
自治体によっては、前立腺がん検診や子宮体がん検診など、他のがん検診を実施している場合もありますので、各自治体のホームページなどを確認してみてください。
がんの三次予防について
がんの三次予防は、再発防止(治療後の継続的な検査・薬物療法)、合併症予防、社会復帰、QOLの維持向上(栄養指導や運動指導)を目的としており、国が定める「がん対策推進基本計画(第4期:2023~2028年)」で、以下が重点項目として挙げられています。
・サバイバー支援:就労継続・社会復帰の支援体制の強化
・緩和ケアの充実:診断時からの導入推進
・がんのリハビリテーション・栄養サポートの普及
・医療・福祉・教育分野との連携促進
また、がん対策の注目点として以下の内容に着目されています。
子宮頸がん予防の「9価HPVワクチン」公費接種
- 従来のHPVワクチンより効果が高く、接種回数を少なくできる9価ワクチンの公費接種がスタートしました。(2023年4月~)
がん検診受診率数値の向上(50%→60%)
- 女性や障碍者・非正規雇用の方が受診しやすい体制整備や、職域検診の法定化を検討していく方向にあります。
海外にならった放射線治療の推進
- 海外よりも普及が遅れている放射線治療に関して、専門医や医学物理士の育成をはじめ、高精度放射線治療の普及への取組みが行われています。
最後に
がん予防として様々紹介しましたが、特に「生活習慣」の改善は、がん予防のみならず健康に日々を過ごすために必要なことだったのではないでしょうか。
がん細胞は毎日身体の中で5000個生まれ、同じく身体に備わっている免疫細胞が攻撃して「がん」にならないようにしています。
免疫細胞がしっかり活躍するためには生活習慣や睡眠、ストレス等が関わってきます。健康的な生活を送ることで、結果的にがん予防にも繋がるのだと知っていただけると幸いです。
国などの公的機関は他に、緩和ケアに必要な体制整備の推進、中高の学習指導要領への組み込み、事業主への「企業アクション事業の活用」などを計画に明記しています。
「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」という全体目標を掲げ、国としてがん治療に取り組んでいます。
各自治体単位での取組みもありますので、気になった方はお住まいの自治体へお問い合わせ頂くと宜しいかと思います。
参考文献:がんがみえる第1版・メディックメディア
まとめ
がん予防について
がんは1980年頃より40年以上日本人の死因1位
がん予防には5つの生活習慣の実践が必要
がんの早期発見・早期治療のため、がん検診を推奨
がんに罹ってしまった後も再発予防に取り組む必要がある

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