専門家に聞く
2024.08.28
がんの免疫療法は怪しい?効果はない?専門家にお聞きしました
教えてくれた専門家
がん治療の長期生存者
データの研究者
綾部 慶太郎 先生
約20年間、がん治療の治療効果反映の研究を行い、がん患者が長期生存を実現するための治療方法の最適な組み合わせを探求。
2015年からは、再生医療の研究にも携わり現在に至る。
がんの免疫療法。「芸能人が騙された」など怪しい話を聞いたことがある方がいるかもしれません。
免疫療法は日本及び世界で研究され、実際に利用されている治療法にも関わらず、どうしてそんな印象を持たれてしまうのでしょうか?
免疫療法って怪しい…詐欺じゃないの?
どうして治療費が高額なの?
高額だけど効果はあるの?
そんな疑問に、がんの免疫治療に詳しい綾部先生から
がんの免疫療法について教えていただきました
免疫療法は怪しい、胡散臭いと思われてしまうことがありますが、実際どんな治療法なのでしょうか?
綾部先生:一言に免疫療法と言っても、1980〜90年代に日本でサメ軟骨などで広まった、なんらかの免疫に対する効果があるだろうという「免疫療法」と再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づき、厚生局に届出をして行う「免疫細胞治療」とでは明確に分ける必要があります。
ABFさんが紹介しているような『自身の血液から細胞を採取し目的の細胞を培養して体に戻す』、免疫細胞治療は1970年〜80年前半アメリカでがんの治療法として研究され始め、2000年頃から日本でも臨床治療が開始されました。
日本では自由診療としてですが、積極的に治療が行われているため、培養技術革新は行われましたが、免疫療法に対してかなり知見がある状態です。
免疫療法は『効果がない』のでしょうか?
綾部先生:その免疫療法が、サプリなどの免疫療法の場合には、偶然が重ならない限り、治療効果を求めることは不可能です。
免疫細胞治療の場合には、ステージやがんの種類、患者様のお身体の状態によって一概には言えませんし、100%効果があると言い切ることもできません。
免疫細胞治療の場合には、『自身の血液から細胞を採取する』ため、ステージが進んでいる状態や抗がん剤治療で細胞が減っている状態だと、そもそも採取する細胞の数が足りないこともあります。
そういった状態を正しく診断し、必要に応じて血液を採取する前に適切な処置を行うことが必要です。
また、がんがあるということは、がんができやすい体内環境ということです。
効果がある=がんになってしまったけれど長生きしたい、という意味であれば、がんが大きくならないための体内の環境作りや物理的ながんの排除、がんを攻撃する免疫細胞の数を増やす、再発防止のためにがんが出来にくい身体にする、などが必要です。
つまり、少なくとも、がん微小環境(がんの周辺の環境)を、免疫細胞が活性化しやすいように改善する必要と、がん体質を改善する必要があり、そうすることでより高い確率で効果を発揮することが可能になります。
免疫療法はなぜ高額なのですか?
綾部先生:免疫細胞治療の場合には『免疫細胞を培養する』工程が必要になります。
その培養施設の設備投資には莫大なお金がかかります。
まだ先進的な治療法で認知度も低く、免疫療法を選択される方も少ないため、設備投資の回収や設備の維持のためには1件あたりの治療費がどうしても高額となってしまうのです。
今後、認知度が高まり、培養設備の稼働率が高まれば、価格を抑えた金額での治療提供が可能になると思われます。
免疫療法はなぜ保険適用になっていないのでしょうか?
綾部先生:保険適用となる標準治療と認められるには「安全性」と「妥当性(有効性)」が判断材料になります。
免疫療法の手順内での安全性は担保されており、また妥当性に関わる品質にも問題はありません。
しかし、妥当性を検証するために、治験を行う必要があります。
過去に免疫細胞治療で治験を行ったことはありますが、治験に関わる費用負担が大きく、大手製薬会社との連携ができない限り、治験を行っても、保険収載にもっていくことは難しい、というのが日本を取り巻く保険診療の状況だと思います。
免疫療法を選択する上で気を付けるべきことは?
綾部先生:免疫細胞治療にはいくつか種類があり、治療法によってもたらす効果が違います。
中にはリンパ球を用いた活性化自己リンパ球療法(αβT細胞、NK細胞、γδT細胞、ヘルパーT細胞)のように、短期的な効果を期待する治療法もありますが、その特定の期間内で効果が見られない場合は治療効果がなかったということなので、即座に別の方法に切り替える、などの素早い判断が必要とされます。
また前述したとおり、患者様のがんの種類や状況に合わせて標準治療や免疫療法を組み合わせたり、経過観察を行い数値から判断して、治療を行う適切なタイミングを見極めることが重要なため、患者様自身で全てを決めるのは難しいと思います。
免疫細胞治療は、がん治療専門の医療機関でなくとも、認定委員会で審査を受け、厚生労働省(厚生局)に届出を出してしまえば治療を行えます。
そのため、本当に効果があるのか不確かな医療機関が実在しているのが実情です。
また残念なことに、日本で免疫細胞治療の専門医の数は少ないのです。
より正確に免疫療法を受けるには、専門医のいる医療機関を見つけることが何よりもまず重要です。
まとめ
免疫治療を受ける際の
ポイント
がんの免疫細胞治療とは『自身の血液から細胞を採取し目的の細胞を培養して体に戻す』治療法
100%効果があるとは言えないが、「がんを攻撃する」
「がんをできにくくする」ための選択肢の一つと捉えると良い
高額なのは培養施設の設備維持にかかる費用のため
正確に免疫療法を受けるには、専門医のいる医療機関を見つけることが重要
でも、そんなお医者様がいる
医療機関
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がんと診断されて、
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免疫療法は全てのがんを直すものではありません。
同じ部位でもがんの種類が複数ありますし、ステージも様々です。
ネットの情報を鵜呑みにして誤った判断をするのではなく、免疫療法の専門医に会って適切な診断をしてもらう事が治療への第一歩です。
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これらのがんの患者さまに免疫療法を受けて頂きました!
・肺がん(ステージⅣ含む)
・すい臓がん(ステージⅣ含む)
・乳がん(ステージⅣ含む)
・大腸がん(ステージⅣ含む)
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・子宮体がん
・卵巣がん(ステージⅣ含む)
・胆管がん
・脊髄腫瘍
・膀胱がん
・肝臓がん(ステージⅣ含む)
・胃がん(ステージⅣ含む)
・食道がん
・咽頭がん
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・直腸がん
・尿管がん(ステージⅣ含む)
・前立腺がん(ステージⅣ含む)
・虫垂がん(ステージⅣ含む)